韓国料理店で隣のテーブルにオジサンとオバサンが並んで座ったんで
　　　　　　　見るともなく見てたら、オジサン、ろくに箸を持つ気配がない。
　　　　　　　餃子、チゲ、卵焼き、かまぼこ、全部オバサンの箸でオジサン(の口)まで運ばれていく。

　　　　　　　オジサンはテーブルの上に太い腕を組み、店の人にやたらと「俺がもし死んだらどうのこうの」
　　　　　　　といった類いの話をしている。ビールは自分の手で飲んでいる。

　　　　　　　常連さんかな、とか考えてたら突如、オジサンがオバサンの片胸を
　　　　　　　ツマんで、へへへっと笑った。オバサンは少し嬉しそうだった。

　　　　　　　かつて男が強い時代があったらしい、という話は本当でした。